らぐサン 傷跡(R18)

地図を広げ、線路を辿る。
つい、と少女の腹の傷痕を指でなぞると、こそばゆそうに甘い声でふあ、と鳴いた。
彼女の柔らかな皮膚の継ぎ目は、浮き出て質を変え、滑らかな境界線となる。
クスグッタイ、と身を捩り逃れようとする身体を抱き寄せ、検品を続ける。
腹の腑分けの痕は背中へと渡り、太腿の切断痕はぐるりと一周する。
小さく鳴きながら、しかし身を預けたまま蕩けた瞳で過敏な縫合痕を辿られる快感に少女は酔いしれる。
胸元の傷痕から少し離れ膨らみのない平たい柔肉の先端を軽く弾くと、少女の肩が一際大きく跳ねた。
熱く火照った身体は、それだけでは足りない。そう訴えるかのように、こちらの背中に。背中に背負った図画に小さな手がしがみついた。
少女を抱え直し、本格的に愛撫を再開する。
下腹部の丸みを撫で、暖かさを感じながら、指先で胸の先をくりくりと弄ぶ。
甘い声に頬を緩めつつ、徐々に硬くなっていく先端と柔らかな乳暈の対比を愉しむ。
あんまり育てたら、普段の格好でも目立ってしまうね、などと考えていると、だらしなく開かれ喘いでいた唇が欲しがるようにこちらに向けられる。
要望通り唇を重ね、短い舌を絡めとる。互いに溶け合うように唇を舐め、舌を吸い、呼吸を混ぜる。
肉欲を彼女に教えたのは、いつからだったか。
彼女を愛でていたときは、愛着も愛玩も同義だった。それは、飢えを満たす酒器のように、ただ喉を埋められれば良かった。
彼女の裸など見慣れている。それはまさしく童女の発育途上のものでもあるし、真っ当な大人なら欲情を許されないものだ。
しかし、臓器を暴かれ骨まで強奪された彼女の。精液と血とに塗れてアスファルトに転がっていた肉塊が、それでも太陽を見ようとするから。
……全ての尊厳を与えられず、肉の器として終えようとしていた人生に交わってしまったから。
ずん、と柔らかに蕩けた隘路を欲望が拓く。痴態に煽られた男根は、狭い肉壺には収まりきらない。
一突きするごとに涎が落ち、喘ぎが聴覚に刺さる。
……どうだ、こんなに悦んでいる、姿など。
精を求めて降りてきた子宮口を先端で抉りながら、涙と快楽に滲んだ少女を抱き潰す。
……誰のものにも、そう、死の神にさえも。渡さない。
短い両脚ががくがくと震え、精を逃すまいと腰に絡まる。
……身体のすべてを犯し、心を縛り付けてでも。
奥深くまで、短く狭い胎内を埋め尽くすように突きこみ、精を吐く。
女にもなっていない、未熟な胎の中を白濁で満たし……白い首筋に、龍の牙が齧り付いた。