浴室で、崎保は必死にスマートフォンを握りしめていた。
防水仕様のスマートフォンで調べた手順に、息を呑む。
けれど、痛い思いも、失敗して落ち込ませることもしたくない。
レネゲイドで必要なものを用意し……覚悟を決めた。
あのままソファでことに及んでしまいそうな新納をなんとか抑え、ベッドルームに待たせることに成功した。
準備を終え、少し迷って下着だけ新しいものをつけて部屋に入るとシーツの上で正座する新納がいた。
「あ、えと……俺も、準備とか……」
「先に浴びさせたでしょ。大丈夫」
「その、えっと……」
どうしたの、と声をかけながら隣に座ると……手を、ぎゅっと握られた。
「こ、こ、こういうこと、初めてなんで……や、優しくします」
ふふ、と可愛さを覚え頬が綻ぶ。
自分も緊張していたのだと、再確認し胸が熱くなった。
念入りに準備をしたところを解させ。
もう我慢ができない、という声に静かに横たわり脚を開いた。
男女のことであれば、このまま貫けば良いはずだ。
しかし、張り詰めて先走る根の先は臀部の谷を滑ってしまう。
「あ、れ、すみません、うまく、入らなくてっ……」
焦りや、普段しない姿勢への筋肉の痛み。
なにせ、自分だって男相手の、それも受け入れる側なんて初めてだ。
どうするか、と少し考え……身を起こした。
「新納、そのままここに座って。その……俺が、身体下ろして入れていくから」
根の上に跨り、何度も擦られ焦れた穴をあてがう。
中心にしっかり繋がるように、ゆっくりと腰を下ろしていく……はずだった。
「……っ、うっ、ぐ、あぁ……あ、」
ぎちぎちと先端のくびれまで呑み込み荒い息を吐く。
圧迫感と、苦しさに萎れていく自身の根。しかし裏腹に、腸内は蠕動し脳を溶かすような感覚をじわりと伝えていく。
堪らず縋ろうと、新納に身を預けようとしたときだった。
ずぐん。と。潤滑のローションに支えの手がずれる。
「っひぃっ!!あ、がっ!!!!」
ずるりと姿勢の安定を崩した身体は、括れまで挿さっていた男根の根本まで貫かれた。
「ぅ、あ、新志さん、ヤバ、キツい、ちんこ千切れそうなくらい、全部入ってる」
新納が本能的に腰を掴み揺さぶり始め、初めて受け入れた男根を一気に最奥まで届かせた身体ががくがくと震える。
萎えかけたた崎保の根は突然貫かれた衝撃でだらだらと精液を溢す。苦しさの涙が腸の中の壁を擦られるたびに甘い涎と混ざる。
「ひ、あっ、深、こんな、初めてで、こんな、奥。新納、たすけ、たす、んあっ!!」
焦点の合わない瞳で何を口走ってるかも定かではない、その喘ぎを聞いているのかいないのか、新納は腕の中の愛する上司を抱きしめ、唇を絡ませる。
殊更強く直腸が締め付けると共に、薄いラテックス越しの熱い白濁が腹を満たした。
「新志さん……っ、好き、好きです、好きだ、全部。全部全部」
自身の腹を白濁で汚した崎保が、朦朧としたまま小さく頷いて……貫かれたまま腕の中へと身を委ねた。