新納崎保 ジャム(R18)

欲の高まりは、ビンに苺を一つ一つ投げ込むように。

香水を吹いたところを目ざとく見つけられ、顔を寄せられた吐息で一つ。
肩を後ろから抱き、細くしかし整った筋の腕の力で一つ。
ピアスは舐めてはいけないと躾けてあるので、代わりに指先で辿られ二つ、三つ。
シャツのボタンを外され、寛げた襟首の頸椎に落ちる口づけの足跡、片手ほど。
胸の先を捉え、最近主張が出てきた乳頭を乳暈ごと捏ねられて一掴み、ふた掴み。
腰に当たる熱い形、この奥の疼きを埋めてあげようかと誘う膨らみが押し付けられて握った手からぼろぼろと。
腕を軽く解き、顔を寄せて唇を重ねる、舌を絡める、果実をマドラーが押しつぶす、汁が溢れる、どろどろに固体が液状になっていく。
瓶を満たした欲のジャム、飲み干すまで戻れない。